事業売却・M&A

事業売却の手順と流れ【2026年完全版】中小企業オーナーが知るべき全知識

事業売却は中小企業にとって身近な選択肢になっている

事業売却と聞くと大企業同士の大型M&Aをイメージするかもしれませんが、近年は年商数千万円〜数億円規模の中小企業やスタートアップにとっても現実的な選択肢として定着しています。後継者不在問題・事業の選択と集中・新規事業への資金確保など、売却の理由は多様です。

この記事では、事業売却を検討している中小企業オーナー向けに、準備から価格交渉・クロージングまでの全手順を解説します。特にAI・IT系の事業を売却する場合のポイントにも触れています。

事業売却の全体の流れ(6ステップ)

事業売却は一般的に以下の6ステップで進行します。案件規模によって3ヶ月〜1年程度かかります。

ステップ1: 売却の意思決定と目的の明確化

まずは「なぜ売却するのか」「売却後に何をしたいのか」を整理します。事業承継・資金調達・選択と集中など、目的によって売却スキーム(事業譲渡 or 株式譲渡)や求める買い手像が変わります。

この段階で顧問税理士や信頼できる相談先に相談しておくと、税務面での最適なスキームを事前に検討できます。

ステップ2: 企業価値の算定(バリュエーション)

売却価格の基準を決めるため、事業の企業価値を算定します。中小企業では「年間営業利益 × 2〜5年分」が簡易的な目安ですが、業種やSaaS事業かどうかで倍率が大きく異なります。

AI・IT系の事業では、技術資産・ユーザー基盤・データ資産なども評価対象となるため、専門的な評価が必要です。サイト売買の相場と計算方法も参考にしてください。

ステップ3: 買い手の探索とマッチング

買い手を探す方法は主に3つです。M&A仲介会社に依頼する方法、M&Aマッチングサイトに案件を掲載する方法、そして知人やビジネスネットワーク経由で探す方法です。

仲介会社は手厚いサポートが受けられますが手数料が高く、小規模案件には向いていません。マッチングサイトは手数料が低く手軽ですが、自分で交渉を進める必要があります。サイト売買おすすめサービス比較で各サービスの違いを確認できます。

ステップ4: NDA締結と交渉開始

買い手候補が見つかったら、NDA(秘密保持契約)を締結した上で詳細な事業情報を開示します。売上データ・顧客情報・技術情報など、機密性の高い情報をやりとりするため、NDAは必須です。

交渉では希望譲渡額・支払い条件・引き継ぎ期間・競業避止義務などの条件を詰めていきます。

ステップ5: デューデリジェンス(DD)

買い手が本格的に買収を検討する段階で、デューデリジェンスDD(詳細調査)が実施されます。財務DD・法務DD・技術DDの3分野が一般的です。

売り手としては、DDに必要な資料を事前に整備しておくことが重要です。決算書・契約書一覧・従業員リスト・知的財産の一覧・訴訟リスクの有無などを整理しておきましょう。

ステップ6: 最終契約とクロージング

DDで問題がなければ、最終的な事業譲渡契約書(または株式譲渡契約書)を締結し、クロージング(代金の支払いと事業の引き渡し)を行います。

エスクロー決済を利用する場合は、第三者機関に代金を預託し、資産移転の完了確認後に売り手に支払われます。これにより双方のリスクを軽減できます。

売却にかかる費用と手数料の目安

事業売却にかかる主な費用は以下の通りです。

  • M&A仲介手数料: 売却金額の1〜10%(仲介会社利用の場合。マッチングサイトは0〜5%程度)
  • 弁護士費用: 契約書作成・レビューで30〜100万円程度
  • 税理士費用: 税務アドバイスで10〜50万円程度
  • 税金: 事業譲渡は法人税、株式譲渡は所得税20.315%が課税

小規模案件であれば、マッチングサイトを利用して仲介手数料を抑え、契約書テンプレートを活用することで総コストを大幅に削減できます。AgentExitでは売り手手数料が無料です。

相談先の選択肢(M&A仲介・マッチングサイト・税理士)

事業売却の相談先は大きく分けて3つあります。

  • M&A仲介会社: 対面サポートが充実、大型案件向き。費用は高い
  • M&Aマッチングサイト: 低コストで手軽、小〜中規模案件向き。自力で進める部分が多い
  • 税理士・弁護士: 税務・法務面の専門アドバイス。仲介機能はない

おすすめは、マッチングサイトで案件を掲載しつつ、税務面は顧問税理士に相談する組み合わせです。仲介会社を利用する場合は、専任契約ではなく非専任契約(複数サービスの併用が可能)を選ぶとよいでしょう。

AI系・IT系の事業を売りたい場合

AI SaaS・MCPサーバー・AIエージェント・Webサービスなどのデジタル事業を売却する場合、通常のM&Aとは異なるポイントがあります。

  • 技術資産の評価: ソースコード・AIモデル・データセットなど、無形資産の価値を正確に算定する必要がある
  • API依存度: 外部API(OpenAI・Claude等)への依存度が高い場合はリスク要因になる
  • ユーザーデータの移管: 個人情報保護法への対応を確認する
  • クラウドインフラの引き継ぎ: AWS・GCPアカウントの移管手順を事前に整理する

AI・IT系の事業売却には、AgentExitのようなデジタル領域に特化したマーケットプレイスが適しています。AI案件の評価基準を理解した買い手が集まるため、適正価格での売却が期待できます。

まとめ

事業売却の手順は、意思決定→バリュエーション→買い手探索→NDA・交渉→DD→クロージングの6ステップです。中小企業でも十分に活用できる選択肢であり、適切な準備と相談先の選択で成功率は大きく変わります。

AI・IT系の事業を売却したい場合は、技術資産の評価に長けたプラットフォームを利用することが重要です。AgentExitの売却案件登録は無料で、売り手手数料もかかりません。まずは案件を掲載して市場の反応を確認してみてください。

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よくある質問(FAQ)

案件規模によりますが、小規模案件(売却金額数百万〜数千万円)であれば1〜3ヶ月、中規模案件(数千万〜数億円)であれば3〜6ヶ月が一般的です。DDに時間がかかるケースが多いため、売却に必要な資料を事前に整備しておくとプロセスを短縮できます。
事業の一部だけを売却したい場合は事業譲渡、会社全体を売却したい場合は株式譲渡が一般的です。税務面では、株式譲渡は所得税20.315%の分離課税で計算が明確ですが、事業譲渡は法人税として課税されるため、個別の状況に応じて税理士に相談することをおすすめします。
はい。マッチングサイト型のサービス(ラッコM&A・バトンズ・AgentExit等)であれば、売却金額が数万円〜数十万円の小規模案件にも対応しています。M&A仲介会社は最低手数料が設定されている場合が多いため、小規模案件では費用対効果が見合わないケースがあります。